音楽家の台所

最終回 牛すじの煮込み

ご近所に山角(さんかく)という
パン屋さんがあります。

すこぶる美味しいパンもさることながら
この店を介してご近所の友達が
たくさんできたこともあって
とても大切なお店です。

仕事柄、たくさんの人と関わるので
出会いは多い方だと思うのですが、
引っ越した先のご近所に
新しい友達ができることは
大人になってからはなかなか難しいですよね。

でも今は、近所を数分も歩けば
知り合いにばったり出会ってしまうくらい
たくさんの友達ができました。

皆、それぞれ面白い仕事に関わっているので
とても刺激になるし
彼らが近くで頑張っている姿を見ると
こちらも頑張らなくてはと背筋が伸びます。

そんなご近所の皆を招いての忘年会の様子です。
このブログのために忙しいところ集まってくれました。

本日のメニュウ

+白菜の鬼柚子もみ
+パプリカの酢漬け
+焼き長葱のマリネ
+人参のピリ辛煮
+春菊とタコのコチュジャン和え
+蒸し里芋(オリーブオイルと醤油をつけて頂く)
+牛すじの煮込み
+カリフラワーと椎茸、柿のカレー
+姫りんごのオーブン焼き

長葱はじっくりと焼いて
甘みを出してからマリネしました。
長葱6本分を焼くのは
少々時間がかかりましたが
いい塩梅に仕上がりました。

春菊の柔らかい葉っぱの部分をちぎって使います。
残った茎の部分は、後日
にんにく炒めにして普段のご飯に。
春菊5束分はあっという間になくなりました。

向田邦子さんの本に出て来た
人参の料理を少しアレンジしたもの。
人参20本分で作りました。

師走で忙しくしていたので
これでもあまり作れなかった方なのです。
足りないと思い立ち、何人かの友達にも
差し入れを頼みました。

大きなシュウマイや手羽先の唐揚げ
築地の立派な卵焼き、葱とタコを和えたもの、
先週ご紹介した洋梨のケーキなど
他にもたくさん加わりました。

そんなことを気軽に頼める友達というのも
とてもありがたいです。

さて今回のメイン料理は、牛すじの煮込みです。
一番大きな鍋でいっぱいに作りました。

随分前のことですが、我が家でのご飯会で
「牛すじの煮込みは苦手だったのに
リエちゃんのはとっても美味いなあ」と
ぱくぱくと食べてくれた人がいました。

もうそれが誰だったのか、
いつだったのかも思い出せないのですが
その人が箸を忙しく動かして食べている映像だけが
印象的に残っています。

美味いなあと言って
大きな口で食べてくれるのを見るのは
とても嬉しいことです。

私も嬉しくて、食べている人も嬉しくて
なんて素敵なことだろうと思いました。

その人がぱくぱく食べてくれたことで
料理への自信も多少なりともついて
自然に人を招くことができるようになったと思います。

その後、忘年会は、ご飯はもちろん
お酒もすすみ、テーブルは
酒のビンだらけになっていきます。

仕込みがある友達は先に帰り、
今度はお店をやっている友達が
閉店後にかけつけてくれて
メンバーが少しずつ入れ替わりながら
朝方まで大宴会は続くのでした。

こうして酔っぱらった写真ばかりでは
皆の素敵な仕事ぶりが伝わりませんね。
せっかくなので昼間の顔を紹介いたします。

白楽ベーグル
+おおぶりで食べごたえのあるベーグル。優しい日差しのカフェで頂けます。

eimeku
http://www.eimeku.com/
+オーナーがヨーロッパなどから買い付けて来たヴィンテージ品、雑貨など上質なセレクト。

TERA COFFEE and ROASTER
http://www.teracoffee.jp/index.html
+世界の珍しい豆も手に入るコーヒー豆屋さん。焙煎の名手。

フクダアーキテクツ
http://www.fukuda-design.net/index.html
+2008年完成の「市川の家」より。空が近い家。

本間義章建築設計事務所
http://arkhe-hommay.jp/
+現在建設中の家に特別に入らせて頂きました。来年1月末に完成予定。

2008-2009年 「Gleaner’s」exhibition at graf salon(大阪)より。

spologum
http://spologum.com/
+私のユニット、small colorの衣装を提供してくれています。布地の模様がいつも楽しい。

タカハシナオ
http://www.nao-t.com/index.htm
+手作りのバッグ。丈夫で長持ち。シンプルないでたちはナオさんそのもの。

中島寛子
+織り。2009年ギャルリ灰月(松本)での個展から。真面目な編み目に人柄が見えます。

cafe ikanika
http://www.ikanika.com/
+今年オープンのカフェ。こじんまりとした平屋の一軒家で、静かで美味しい時間を過ごせます。

山角
http://www014.upp.so-net.ne.jp/skaku/
+食事によく合うどっしりとしたパンが素晴らしい。今の季節はシュトーレンもおすすめ。

かうひい堂
http://kauhi-dou.cafe.coocan.jp/
+オンラインショップと出張のコーヒー屋さん。丁寧に焙煎された艶のある豆が特徴的。

朝日美穂
http://www.ceres.dti.ne.jp/~donidoni/asahi/
+音楽家。生み出す曲はいつも筋金入りにかっこ良い。うらやましい才能。

small color
http://www.smallcolor.com/
+オオニシユウスケ、良原リエのユニット。今年はアメリカでCDが出ました。

ご近所の皆ともども、
どうぞごひいきにお願い致します。

終わりに

このブログはこの記事で最終回となります。
読んでくださっていた皆さん、一年間おつきあいを頂いて
本当にありがとうございました。

このサイトを通して暖かい言葉をくださった方々
どうもありがとうございました。
たくさんの方が読んでくださっているのだと
大きな励みとなっておりました。
せっかくお便りを頂いたのに、恥ずかしながら
まだひとつもお返事をかけていません。
これからひとつずつゆっくりお返事を書く予定にしています。
どうぞお許し下さいね。

ブログをスタートした当初は、普段作っている料理を
簡単に紹介するだけのつもりだったのですが
いざ、文章にしてみると
ひとつひとつの料理には随分と思い入れがあるものだと
気付かされることになりました。

結果、私のプライベートな思い出満載のアルバムとなり
皆さんの毎日にお役に立てるような事柄からは
随分とはなれたところへ来てしまいました。

実用的ではなかったかもしれませんが
料理を通して、一緒に私の思い出を
共有してもらえていたら嬉しいです。
とても楽しく書かせて頂きました。
ありがとうございました。

いつもぎりぎりの更新にも一言も文句も言わず、
文字校正を担当してくださいましたコノハナブッックスの廣瀬さん。
たくさんの優しい心遣いをありがとうございました。

今まで何気なく作っていた料理を
見つめ直すきかっけとなったこのブログと
一年という長いスパンでの機会を与えてくださった
コノハナブックスの木之花さん。
広い心で見守って頂きありがとうございました。

試作を繰り返すばかりに
同じ料理が何度も続くことがあったのにも関わらず
いつもきっちりと平らげてくれた旦那さん。
どうもありがとう。

少し先になりますが、
このブログは書籍化の予定です。
また違った形でお会い出来るのを楽しみにしています。

日に日に寒くなってきています。
皆さまどうぞ暖かくして、
すこやかなクリスマスをお迎えください。

良原リエ

忘年会:photo by Izumi Kumazawa
お店など:photo by Rie Yoshihara
small color:photo by Mikio Shuto

(2009年12月22日更新)

コラム

牛すじの煮込み

材料:牛すじ 1キロ、 玉葱 2個、 大根 1本、 蒟蒻 2枚、
   酒 1カップ、 醤油 2/3カップ、 生姜 2〜3かけ、
   甜菜糖(または砂糖) 大さじ3(好みで調整、なくても)、 長ねぎ 1/2本

1)牛すじをざっと洗って、血などを流し、熱湯で5分ほど下茹でしてアクをとる。
  流水で洗った後、はさみなどで食べやすい大きさに切る。
2)玉葱を繊維と垂直に切り、鍋で炒める。しんなりとしたところで牛すじ、千切りにした
  生姜を加えてざっと炒める。酒を入れた後、ひたひた程度に水を加えて1時間ほど煮込む。
3)別の鍋で、ぶつ切りにした大根を水から茹で、竹串がささるようになったら、
  牛すじを汁ごと上から加える。ちぎった蒟蒻、醤油を加えて、さらに1時間ほど煮込む。
4)火を止めて一度冷まし、また火にかけて冷ますというのを何度か繰り返して、
  味をしみ込ませる。
5)熱々のところに、小口切りにした長ねぎをのせて、頂く。

*甘みの量は好みで調整してください。

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【音楽家の台所・最終回のお知らせ】
2008年12月よりスタートした当連載は、今回で最終回となります。
今まで応援ありがとうございました。
今後の良原リエさんの情報は、trico!のサイトをご覧ください。

1年分のアーカイブを最初からご覧になる場合は、
下の「バックナンバー」の左上アイコンからどうぞ。
(まゆたんち編集部)

バックナンバー

ごあいさつ

第1回 蕪、酒粕、豆乳のスープ

第2回 黒豆、シナモン風味

第3回 鶏だしスープのトック(韓国雑煮)

第4回 干し大根のソテー、ケッパーソース

第5回 冬のジャム、生姜とはちみつ風味

第6回 おかき、三種

第7回 スパイシーチョコレートケーキ

第8回 カリフラワーのサブジ

第9回 春菊ペーストのパスタ

第10回 雪ノ下の天ぷら

第11回 長葱のクリームチーズ和え

第12回 春キャベツとささみの蒸し煮

第13回 新玉葱、ドライトマトのマリネ

第14回 サンドイッチフィリング、三種

第15回 クレソン、生姜のお稲荷さん

第16回 新じゃが、プルーンの煮込み

第17回 うちのトマトパスタとルッコラのサラダ

第18回 筍のピクルス

第19回 牛蒡(ごぼう)と胡桃のキャラメリゼ

第20回 おからたっぷりのスコーン

第21回 人参のサラダ、人参のポタージュ

第22回 生らっきょうのフリット、ローズマリー風...

第23回 味付け卵、八角風味

第24回 アイリッシュソーダブレッド

第25回 イカ、トマト、ミントの炒め

第26回 梅味噌、梅味噌豆

第27回 塩豚、茹で豚

第28回 ガーリックトースト

第29回 ローズマリーポテト

第30回 葉唐辛子、鶏肉のカレー

第31回 夏のキムチ三種

第32回 ラタトゥユ、ガスパチョ

第33回 生姜ジュース

第34回 セミドライトマト

無花果(いちじく)のソテー、サラダ、白味噌和え

第36回 南瓜(かぼちゃ)のグリル、玉葱のソース

第37回 緑のサラダ、赤のサラダ、黒のサラダ

第38回 蕎麦粉のガレット

第39回 柿、ディルのクリームチーズ和え

第40回 蛸(たこ)、青海苔のクリームソースパス...

第41回 ドライフルーツ、ナッツのケーキ

第42回 豚のスペアリブ、棗(なつめ)の煮込み

第43回 焼き芋、レモンバターソース添え

第44回 野菜ルーのカレー

第45回 コジード・ア・ポルトゲーザ(ポルトガル...

第46回 鰯の塩焼きとカルド・ヴェルデ

第47回 ヨーグルトパンケーキ

最終回 牛すじの煮込み


アコーディオン・トイピアノ・鍵盤ハーモニカ・オルガンなど、ノスタルジックな味わいをもつ楽器を得意とする鍵盤奏者、音楽家。空気公団・ハンバートハンバート・Akeboshiなど、多くのアーティストのライブ・レコーディング・CM・TVの音楽などに、さまざまな楽器でかかわるほか、ソロプロジェクトであるtrico!やギタリスト・オオニシユウスケとのユニットsmall colorでもアルバムをリリースしている。最近は、スイス絵本の名作『こねこのぴっち』のDVD化にあたり、音楽を担当(2009年1月発売予定)。またインテリア誌「かわいい音楽すてきな暮らし」でレシピ・料理・スタイリングを担当。日々の暮らしを大切にしながら、さまざまな活動を楽しんでいる。

音楽家・良原リエさんによる、暮らしのエピソードとそれにまつわる日々のご飯のレシピ。本人撮影による四季折々の写真とともに、<ありふれた材料でできる簡単な料理をよりよくするためのコツ>を提案していきます。好きなモノ・コトに囲まれた、実のある暮らしを大切にしているリエさんならではの切り口が、「普段の生活」の大事さをあらためて教えてくれるはず。


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