第29回 ローズマリーポテト
我が家でのご飯会が大好きです。
私のライフワークと言っていい
大切なイベントです。
仕事で知り合った人々、ご近所の友達、
久しぶりの友達、まだ友達とはいえない距離の人も、
とりあえず我が家に招いて、一緒にご飯を頂きます。
一緒にご飯を頂くことで、ぐっと距離が近づいて
仲良くなれるから不思議です。
ご飯を頂くことで、心や体の緊張がときほぐれて、
自然体になれるからでしょうか。
その人がどんな人であるか、とても良く見えるし、
良いところも、ダメなところも、お互い見せ合うことで
尊重し合えるようになるからかもしれません。
先日、ノルウェーから来日している
PICIDAE(ピッキデー)と一緒のライブがありました。
実は彼らとは以前にも共演していて、
丁度1年ぶりの再会です。
PICIDAEは、ボーカルとハープのTara(タラ)、
トロンボーンなどの演奏をするEirik(エイリック)の二人組です。
Taraの繊細で美しい歌声と、
伝統的なハープなどのあまり見慣れない楽器の伴奏に、
Eirikの現代的でセンスあふれる音が絡みあってきます。
行ったことはないけれど、
ノルウェーの深い森が見えてくるような
独自性のある美しい音楽です。
そんな彼らを招いて、ご飯会を開催しました。
Taraが完全なベジタリアンということで、
肉、魚を使わないのはもちろん、
出汁にも気を配らなければなりません。
前日に椎茸と昆布でたっぷりと出汁をとり、
メニューを考えることにしました。
メニューはいつも思いつきです。
八百屋さんをのぞいて、旬なもの、
美味しそうに見えたものを買って、
家にあるものと組み合わせるぐらいです。
特別な料理があるわけでなく、
普段の我が家のご飯の延長です。
高級な食材も、珍しい食材もありません。
食材もしっかり使い回します。
張り切って作ったところで、
慣れていない料理を作るのも、
なんだかよそよそしい気もするからです。
本日のベジタリアンメニュー
+人参のすりおろしサラダ
+グリーンサラダ(ロメインレタス、わさび菜、パクチー、くるみ、クコの実)
+かぼちゃの梅味噌和え
+切り干し大根、昆布、ワケギの煮物
+味付け玉子、八角風味
+梅酢の梅
+ねじり蒟蒻の炒め、花椒風味
+きのこの塩マリネ(椎茸、シメジ、エリンギ、えのき茸、舞茸、紫蘇)
+ローズマリーポテト
+エリンギ、ワケギ入りのトック(韓国餅のスープ)
+宗像堂のパン
+桃
このブログで紹介している
レシピもいくつか登場しています。
味付け玉子、八角風味は
とろとろの半熟状態に仕上げました。
去年漬けた梅酢を全部使ってしまって、
残った梅をそのままあてに。
甘酸っぱくて、さっぱりしていて
ちょうど良い箸休めになります。
私達には、慣れた食材でも
海外からのゲストには、珍しく感じるものがあります。
そんな理由で、切り干し大根や
蒟蒻を使ったメニューも加えました。
日本の食材を説明することでも、会話がはずみますね。
Taraも蒟蒻を箸でつまんで、ぷるぷると揺らして
珍しがってくれました。
こちらがPICIDAEのお二人。
クコの実に興味を示しています。
その時、自分の中で流行っているものを
メニューに加えることも多いです。
何より、自分が作りたいから、という理由が一番ですが、
好きなものは、きっと私から良い波長が出ていて、
美味しく仕上げることができる気がしています。
今、はまっているのは、ローズマリーポテトです。
お芋、というよりも、我が家の庭でぐんぐんと伸びる
ローズマリーの香りに病みつきになっています。
すっきりとした清涼感に加えて、深さがあって、
心が落ち着き、ふと集中できる気がします。
茹でてまっさらなお芋が、
そのローズマリーのかぐわしい香りを
しっかりと吸収してくれます。
ローズマリーとポテトは昔から
好相性として知られている組み合わせです。
やはり長く愛されているものは強いですね。
何度食べても飽きないから不思議です。
さて、我が家のご飯会は、ゲストの方々に
お酒をご持参頂くのがルールです。
最初は、大抵のんびりとご飯を食べていますが
お酒が入ってくるとそうもいきません。
今回も気づけば、総勢15名も集まり、
大盛り上がりの宴会と化しました。
私も最初は、美しく盛りつけようと、
サーブしようと気を使っているのですが、
やっぱり、飲んでしまうと
なかなかコントロールができないもので、
宴会モードに突入してしまいます。
いたるところにお酒を散らかして、
まるで居酒屋のようになってしまいます。
まあ、それも楽しい証なので、
仕方ないのかもしれませんね。
この日は、盛り上がりついでに
集まったミュージシャン達が
順番に歌うことになりました。
Taraもギターの弾き語りで
美しい歌声を聴かせてくれました。
こんなに間近で、生の歌声を堪能できるなんて、
家でないとありえないことです。
こういうハプニングも
忘れられない思い出になります。
楽しい時間を共有できるご飯会は
私の日々になくてはならないものです。
一緒にご飯を食べることで、
たくさんの絆が生まれたように思います。
これからも、できる限りたくさんの人を招いて、
死ぬまで続けていきたいなと思っています。
いろんな人に食べてもらうことで
料理の腕も鍛えられますしね。(2009年7月21日更新)
photo by Izumi Kumazawa
ローズマリーポテト
材料:じゃがいも 中5個、 ローズマリー 3〜4枝、 塩 小さじ1/2、
オリーブオイル 大さじ1
1)じゃがいもは、食べやすい大きさに切り、ひたひたの水で茹でる。
(または圧力鍋で、火を通す。)
2)じゃがいもの水気を切り、ボウルに移し、枝からこそげとったローズマリー、
オリーブオイル、塩を加えて、全体になじむように混ぜる。
3)フライパンで、全体に軽く焦げ目がつくまでソテーする。
(または220度のオーブンで、10分ほど焼く)
4)ローズマリーを飾って、頂く。



























































アコーディオン・トイピアノ・鍵盤ハーモニカ・オルガンなど、ノスタルジックな味わいをもつ楽器を得意とする鍵盤奏者、音楽家。空気公団・ハンバートハンバート・Akeboshiなど、多くのアーティストのライブ・レコーディング・CM・TVの音楽などに、さまざまな楽器でかかわるほか、ソロプロジェクトであるtrico!やギタリスト・オオニシユウスケとのユニットsmall colorでもアルバムをリリースしている。最近は、スイス絵本の名作『こねこのぴっち』のDVD化にあたり、音楽を担当(2009年1月発売予定)。またインテリア誌「かわいい音楽すてきな暮らし」でレシピ・料理・スタイリングを担当。日々の暮らしを大切にしながら、さまざまな活動を楽しんでいる。

音楽家・良原リエさんによる、暮らしのエピソードとそれにまつわる日々のご飯のレシピ。本人撮影による四季折々の写真とともに、<ありふれた材料でできる簡単な料理をよりよくするためのコツ>を提案していきます。好きなモノ・コトに囲まれた、実のある暮らしを大切にしているリエさんならではの切り口が、「普段の生活」の大事さをあらためて教えてくれるはず。
