第31回 夏のキムチ三種

先週の続きです。

近くの農園で買い求めた葉唐辛子。
夏らしいカレーにしましたが、
実がまだまだたくさん残っています。

丁度、庭にわんさか生えている紫蘇を漬けようと
ヤンニョム(韓国の合わせ調味料、漬けダレ)が作ってあったので
葉唐辛子の実を合わせてみることにしました。
 

第17回にも少し書きましたが、
紫蘇は毎年、こぼれ種で
庭のあちこちから生えてきます。

だいたいは救出して、ポットに植え替え
お友達にプレゼントしていますが、
それでも見落とした分があるもので、
勝手に、元気に育ってくれています。

薬味が欲しいと思ったときに、
庭に出れば、あちこちに生えているので
とても助かっています。

紫蘇は日本の代表的なハーブです。
つまり、日本の風土、気候に
ぴったりマッチしているということ。

日本全国どこでも簡単に
育てられるのではと思います。
半日陰でも育ちますし、
多少虫はつきますが、とても丈夫です。

ベランダで、キッチンで、
ぜひ1鉢育てて見て下さい。
あると重宝するので、おすすめです。


 
さて、毎年、
紫蘇がわんさか穫れる時期になると
紫蘇のキムチを作ります。

キムチと言っても、
好きな味のヤンニョムを作って
漬けるだけの、簡単なものです。

韓国へは今まで5回程
ご飯を食べたい欲求にかられて
旅行に行っているのですが、
必ず買ってくるお土産のひとつに
エゴマの缶詰があります。

これがご飯にぴったりで
やめられない美味しさです。

キレイに重ねられたエゴマを
1枚1枚はがしながら
熱々のご飯に載せて頂きます。
ああ、書いているだけでも
ごくんと喉が鳴ります。

もちろん缶詰でなくてもいいのですが、
保存がきくのと、持ち帰りも楽ですし
お友達へのお土産にも良いので、気に入っています。

右下の小さな缶詰がそうです。
韓国の、濃厚でパンチのある胡麻油とともに
はずせないお土産&我が家の常備品です。

こんな風につゆだく状態で
びっしりとエゴマが重ねられて入っています。

エゴマは近所では手に入りませんが
エゴマも紫蘇も同じシソ科の植物です。
見た目もとても近いですしね。

ある時、大好きなエゴマの缶詰が切れてしまって、
そうだ似ているのだから
紫蘇で作ってみようと漬けてみたところ、
これが期待以上に美味しく仕上がり、
我が家の夏の定番となりました。

これは去年の今頃の写真です。
まだ浅漬けですね。

収穫して、漬けて、収穫して、漬けて
を繰り返すと、かなりの量になります。
去年は相当量作ったので
つい先日までありました。

1年経っても食べられる上、
どんどん味が深くなっていくのも面白い。
大好きな味です。
 

今日は、紫蘇に加えて
さきほどの唐辛子、そして
曲がり胡瓜も手に入ったので
それぞれヤンニョムと和えることにしました。

胡瓜は、味が馴染むように
すりこぎ棒で叩き割ります。

いえ、実際には叩くと
勢い良く胡瓜が飛んでいってしまうので、
押し潰す、といった方が近いかもしれません。

表面がランダムになって
味が染み込みやすくなります。

そして和えるときは、必ず手で混ぜます。
韓国の定番料理、ナムルもそうですが、
調味料と具材は、手で混ぜると
より一層美味しくなる気がします。

韓国へ行くと、あらゆる市場で
オモニ(おばちゃん)達が、
手を真っ赤にして混ぜているのを
見かけることができます。
(最近は手袋をしている場合も
多いですけれどね。)

韓国料理は何を頂いてもハズレが少なくて、
いつもその美味しさに感激してしまいますが、
きっとあのオモニ達の手が
さらに美味しくしていると思うのです。

日本で言うなら、お母さんがにぎってくれた
おにぎりの感覚に似ていますね。

手は、特別な美味しさを
プラスしてくれるものです。

その上、実際手で混ぜてみれば、
手の方がよく混ざることもわかります。
すみずみまでヤンニョムを
行き渡らせることができるのです。

やっぱり手じゃないと
ダメなようです。

一応、これでも演奏者のはしくれなので
もっと手は大事にすべきなのですが、
大好きな料理のためなら、仕方ありません。

洗っても、簡単にとれないことも多く、
楽器には悪いのですが、
大抵いろんな匂いが手に染みついたまま
演奏しています。

あまり大きな声では言えないことですが、
まあ、それも自分らしいので、
良しとしようと思います。(2009年8月4日更新)

コラム

夏のキムチ三種


材料:紫蘇、青唐辛子、胡瓜 適量
   
   作りやすい分量のヤンニョム
   ナンプラー 大さじ2、 醤油 大さじ1、 韓国の一味唐辛子 大さじ1、
   にんにく 1かけ、 生姜 1かけ、 蜂蜜 大さじ1、 すりごま 大さじ1
   林檎または梨(あれば) 1/8個、 塩 適量

1)紫蘇、唐辛子は洗った後、水気を拭き取るなどして、しっかりと切っておく。
2)胡瓜は潰して、塩でもんでしばらく置き、しぼって水気を切っておく。
3)にんにく、生姜、林檎または梨はすりおろし、その他の材料と混ぜ合わせてヤンニョムを作る。
4)紫蘇は、1枚ずつヤンニョムを塗り、重ねていく。唐辛子、胡瓜はヤンニョムを手で混ぜ込む。
5)紫蘇、唐辛子はしばらく漬け込み、数日後から頂く。胡瓜は和えたらすぐに頂く。

*唐辛子、紫蘇は、冷蔵庫で長く保存ができます。
*胡瓜は水分が多いので、あまり保存はできません。早めに頂いてください。
*韓国の一味唐辛子は、あまり辛くありません。日本のもので代用する場合は、加減してください。
*ヤンニョムも保存できます。清潔な瓶に入れ、冷蔵庫で保存し、
 いろいろなものと合わせてみてください。
*キムチには、鰯のエキスやあみの塩辛を入れると、より本格的な味になりますが、
 簡単に手に入るナンプラーで代用しました。

バックナンバー

ごあいさつ

第1回 蕪、酒粕、豆乳のスープ

第2回 黒豆、シナモン風味

第3回 鶏だしスープのトック(韓国雑煮)

第4回 干し大根のソテー、ケッパーソース

第5回 冬のジャム、生姜とはちみつ風味

第6回 おかき、三種

第7回 スパイシーチョコレートケーキ

第8回 カリフラワーのサブジ

第9回 春菊ペーストのパスタ

第10回 雪ノ下の天ぷら

第11回 長葱のクリームチーズ和え

第12回 春キャベツとささみの蒸し煮

第13回 新玉葱、ドライトマトのマリネ

第14回 サンドイッチフィリング、三種

第15回 クレソン、生姜のお稲荷さん

第16回 新じゃが、プルーンの煮込み

第17回 うちのトマトパスタとルッコラのサラダ

第18回 筍のピクルス

第19回 牛蒡(ごぼう)と胡桃のキャラメリゼ

第20回 おからたっぷりのスコーン

第21回 人参のサラダ、人参のポタージュ

第22回 生らっきょうのフリット、ローズマリー風...

第23回 味付け卵、八角風味

第24回 アイリッシュソーダブレッド

第25回 イカ、トマト、ミントの炒め

第26回 梅味噌、梅味噌豆

第27回 塩豚、茹で豚

第28回 ガーリックトースト

第29回 ローズマリーポテト

第30回 葉唐辛子、鶏肉のカレー

第31回 夏のキムチ三種

第32回 ラタトゥユ、ガスパチョ

第33回 生姜ジュース

第34回 セミドライトマト

無花果(いちじく)のソテー、サラダ、白味噌和え

第36回 南瓜(かぼちゃ)のグリル、玉葱のソース

第37回 緑のサラダ、赤のサラダ、黒のサラダ

第38回 蕎麦粉のガレット

第39回 柿、ディルのクリームチーズ和え

第40回 蛸(たこ)、青海苔のクリームソースパス...

第41回 ドライフルーツ、ナッツのケーキ

第42回 豚のスペアリブ、棗(なつめ)の煮込み

第43回 焼き芋、レモンバターソース添え

第44回 野菜ルーのカレー

第45回 コジード・ア・ポルトゲーザ(ポルトガル...

第46回 鰯の塩焼きとカルド・ヴェルデ

第47回 ヨーグルトパンケーキ

最終回 牛すじの煮込み


アコーディオン・トイピアノ・鍵盤ハーモニカ・オルガンなど、ノスタルジックな味わいをもつ楽器を得意とする鍵盤奏者、音楽家。空気公団・ハンバートハンバート・Akeboshiなど、多くのアーティストのライブ・レコーディング・CM・TVの音楽などに、さまざまな楽器でかかわるほか、ソロプロジェクトであるtrico!やギタリスト・オオニシユウスケとのユニットsmall colorでもアルバムをリリースしている。最近は、スイス絵本の名作『こねこのぴっち』のDVD化にあたり、音楽を担当(2009年1月発売予定)。またインテリア誌「かわいい音楽すてきな暮らし」でレシピ・料理・スタイリングを担当。日々の暮らしを大切にしながら、さまざまな活動を楽しんでいる。

音楽家・良原リエさんによる、暮らしのエピソードとそれにまつわる日々のご飯のレシピ。本人撮影による四季折々の写真とともに、<ありふれた材料でできる簡単な料理をよりよくするためのコツ>を提案していきます。好きなモノ・コトに囲まれた、実のある暮らしを大切にしているリエさんならではの切り口が、「普段の生活」の大事さをあらためて教えてくれるはず。


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