第38回 蕎麦粉のガレット
今まで、随分といろんな街に行きました。
都道府県別に考えると、
行っていないのは、残すところ青森のみ。
出会った方々の顔とともに、
ご当地名産の食材や名物料理が
あれこれ浮かびます。
演奏するだけでも楽しいのに
旅もできるなんて、音楽は素敵な仕事だなあと
つくづく思います。
9月は、長野に縁のある月でした。
駆け足になりますが、少し紹介しますね。
月のはじめには長野市へ。
長野市と言えば、善光寺。
お寺を中心に広がる
静かな佇まいの街。
中川五郎さんのライブのサポートでした。
ライブの翌日に、善光寺をお参りして、
長野の定番土産、八幡屋磯五郎の唐辛子を購入。
自分の好みでブレンドしてくれるのですね。
陳皮を多めにして、香り豊かにしてもらいました。
途中の八百屋さんでは、
朝掘ったばかりという、泥付の蓮根を見つけて購入。
鍵盤ハーモニカと同じくらい、とても大きくて、
しゃりしゃりとみずみずしい。
素敵な買い物でした。
先週ご紹介したご飯会の次の日も
早朝から、旅に出ていました。
(なかなかのハードスケジュールでした。)
まずは、trico!というソロプロジェクトのツアーで
姫路、岐阜、名古屋、松本へ。
嬉しいことにどこも盛況で
楽しく演奏させて頂きました。
(詳しくは日々のブログtrico! today’s menuを見て下さると嬉しいです。)
最終日は、長野の松本市。
松本は、クラフトの作家さんがたくさん住まわれていて
アーティスティックで、洗練された印象があります。
古い町並みもきちんと残されていて、
新しいものと上手に共存しているのが
素敵なところです。
ここでのライブは、非公開で
木工作家、井藤昌志さんの工房&カフェ、
ラボラトリオのオープニングパーティーでした。
もともと薬局として使われていた建物は、
なんと築80年だとか。
古き良き部分はきちんと残して、
とても丁寧なリノベーションがされていました。
2階のギャラリーに楽器を並べて
演奏を。
建物には、古いオルガンがついてきたそうで、
せっかくなので、そのオルガンも使って演奏をしました。
足踏みの部分が古くなっていて、空気が漏れてしまっていましたが
それも味わいになって、柔らかで優しい音がしました。
たくさんの人がお祝いに駆けつけたパーティー。
和やかな時間は夜遅くまで続きました。
翌日は、松本から車で2時間ほどの中川村へ。
友達がガラス工房で働いているのです。
丁度、赤蕎麦が咲き誇る時期。
素朴な蕎麦の花も、広がるとこんなに圧巻。
宿泊は、片桐農園というりんご農家でした。
気さくなご夫婦が経営する民宿です。
おばあちゃんがつくる家庭料理。
甘酸っぱいリンゴの天ぷら、
道ばたに咲くコスモスやきくいもの天ぷら、
稲穂をそのまま素揚げしてはぜたお米、
からっと揚がったいなごも
ぱりぱりとして美味しく頂きました。
目的のガラス工房は、さらに山奥に入り、
緑以外、何も目に入らないところにありました。
何にも邪魔されず、誘惑されず、
集中できる空間なんて、とてもうらやましいですね。
ここでなら、きっと良い作品が
どんどん生まれるのだろうな。

さて、さらに翌日
Peaceful Garden 2009という
ミュージックフェスに出演の為、
長野県北部の大町市、木崎湖へ。
ギタリストのオオニシユウスケとのユニット
Small Colorで出演しました。
湖のほとりにあるキャンプ場で
2日間行われたフェス。
ほとんどのお客様はテントを張って
泊まりこみ、思い思いの場所で
音楽を楽しんでいました。
澄み渡る空気、湖畔の美しい景色、
大きな木々に囲まれたステージ。
暗く、自然光のない場所に
ぎゅうぎゅうにつめこまれるのと違って
足も手も伸ばして音楽が聴ける。
耳を澄まして、遠くから流れてくる音も楽しむ。
こういうリラックスした状態が一番
音楽って気持ち良いのだよなと改めて気付きます。
それを思い出させてくれる自然体のフェスでした。
このフェスの仕掛人は、
第15回に登場した水辺のクレソンを
見せてくれた人です。
美味しいもの好きの彼女だから
出演者には、手の込んだまかないが
始終用意されていました。
そんな心遣いもまたとても素敵ですよね。
帰り際、彼女がお手製の杏(あんず)ジャムを
こっそりと手渡してくれました。
きゅっと酸っぱくて
甘みが後からほんのりやってくる杏ジャム。
後ろに見えるのは、これも頂いた
大町の山胡桃(くるみ)。
山胡桃の入った琺瑯(ほうろう)のボウルも
フェスに出ていた新潟のomakeというお店で
買ったものです。
大町近くの蕎麦の村、新行の
山品という店で手に入れた
引き立ての蕎麦粉とともに
長野土産で一品作ることにしました。
酸味のあるジャムとねっとりしたチーズ、
ベーコンの塩気を合わせて楽しみました。
旅の途中で出会ったものは、
持ち帰った食材も、その食材を使った料理も
素敵な思い出です。
お土産で作った料理を頂きながら
出会ったたくさんの顔を思い出すときが
旅の一番の醍醐味かもしれません。(2009年10月6日更新)
蕎麦粉のガレット
材料:作りやすい分量の生地(6~7枚分)
蕎麦粉 1カップ、 水 1カップ、 卵 1個、
塩 ひとつまみ、 オリーブオイル 適量、
1枚あたりの具:杏ジャム(またはオレンジマーマレードなど柑橘系のジャム)
大さじ1程度、 カマンベールチーズ(またはクリームチーズ) 30g程度、
ベーコン 1/2枚、 塩、胡椒 適量、 (あれば)イタリアンパセリ 適量
1)蕎麦粉、卵、塩を入れ、水を少しずつ入れながら、混ぜ合わせて生地を作る。
するりと落ちるくらいのゆるさになったら、30分〜1晩ほど寝かせる。
2)フライパンにオリーブオイルを引いて熱し、余分な油を別の皿などに取り除き、
おたまですくって生地を入れ、薄くのばして弱火で焼く。
3)表面が固まってきたら、杏ジャム、小さく崩したチーズ、食べやすく切った
ベーコンを入れ、塩、胡椒をして、半分に、または四隅を折り、蓋をして火を通す。
イタリアンパセリを飾って、熱いうちに頂く。
*フライパンで生地を伸ばすときは、おたまで広げるよりも、フライパンを持ち上げて
大きく円を描くようにまわすと、きれいに広がります。
*塩気のある具を挟むとガレット、甘い物を挟むとクレープと言うそうです。
いろいろな具にトライして、好みの味を探してみてください。
















































































アコーディオン・トイピアノ・鍵盤ハーモニカ・オルガンなど、ノスタルジックな味わいをもつ楽器を得意とする鍵盤奏者、音楽家。空気公団・ハンバートハンバート・Akeboshiなど、多くのアーティストのライブ・レコーディング・CM・TVの音楽などに、さまざまな楽器でかかわるほか、ソロプロジェクトであるtrico!やギタリスト・オオニシユウスケとのユニットsmall colorでもアルバムをリリースしている。最近は、スイス絵本の名作『こねこのぴっち』のDVD化にあたり、音楽を担当(2009年1月発売予定)。またインテリア誌「かわいい音楽すてきな暮らし」でレシピ・料理・スタイリングを担当。日々の暮らしを大切にしながら、さまざまな活動を楽しんでいる。

音楽家・良原リエさんによる、暮らしのエピソードとそれにまつわる日々のご飯のレシピ。本人撮影による四季折々の写真とともに、<ありふれた材料でできる簡単な料理をよりよくするためのコツ>を提案していきます。好きなモノ・コトに囲まれた、実のある暮らしを大切にしているリエさんならではの切り口が、「普段の生活」の大事さをあらためて教えてくれるはず。
