第9回 春菊ペーストのパスタ
春一番が吹きました。
嵐が、我が家の庭をたっぷり刺激して
むくむくといろんな緑が
顔を出してきています。
真っ白い花びらが
可憐で愛らしいスノードロップ。
その周りだけ、空気が澄んでいるよう。
去年の3月
ライブで訪れた松本から足を伸ばして
蓼科のハーバルノート・シンプルズに
立ち寄りました。
ちょうど蓼科は、冬にそろそろ終わりを告げ
春を迎えようとしていた頃。
お店の周りの広大なハーブガーデンには
雪が残っていましたが、そのところどころに
小さな緑が顔を出していました。
それがスノードロップでした。
スノードロップが顔を出したら
春がやってくる合図なのだそうです。
その可憐な姿にノックアウトされて
早速、我が家の庭にも球根を植えました。
秋が過ぎ、冬の終わりの嵐の後
まさに春を告げるために
こうして顔を出してくれたのです。
もうすぐ春ですね。
暖かくなってくると
冬の間はあまり作らない
パスタを食べたくなります。
大好きなパスタですが
冬の間は自然に出番が減ってしまうのです。
パスタにはやっぱり、トマトのような
太陽の光をいっぱい浴びた野菜が
ピッタリという印象があるからかもしれません。
ならば今、手に入る冬の野菜で
元気な味にしたいなと考え
バジルのペーストに見立てて
春菊でペーストを作りました。
天気が良かったので
テラスのベンチに腰掛けて
ゆっくりすり鉢であたりました。
あいにくフードプロセッサーを持っておらず
あれば、短時間でできてしまうこの作業ですが
庭を眺めながら、遊びにやってくる猫に声をかけながら
時間をかけてみるのも楽しいです。
すり鉢だと、柔らかい葉のバジルと違って
筋のしっかりある春菊は
あまり崩れてはくれません。
茎も残ってしまうし
松の実の崩れ方もいろいろです。
私の大ざっぱな性格と相まって
とてもペーストとは言い難い
仕上がりになってしまいます。
とろとろのペスートに比べると
パスタの絡みもいまいちですが
こうしていろんな大きさが混ざるのも
食感が楽しくて、それもまた
とても美味しいのです。
道具が多少揃っていなくても
今あるもので美味しくできれば
それが一番だと思います。
楽器もそうです。
楽器の種類や数よりも
大事なのは、演奏者の感受性と
それを表現する為の技術。
料理も、世の中のいろいろも
同じことですよね。
春菊は、今年も
たくさんの鍋で大活躍でした。
こうして春が近づいてきたら
春らしい味に変身してもらうのも
面白いなあと思います。(2009年2月24日更新)
春菊ペーストのパスタ
材料:春菊 1束、エクストラバージンオリーブオイル 50ml、松の実 50g、
パルメザンチーズ 大さじ2、にんにく 1かけ、塩 小さじ1、白胡椒 適宜、
パスタ 230g(二人分)
1)春菊は3センチ程度にざく切りし、ひとつまみの塩(分量外)と
フライパンで2分ほど蒸し煮にする。
2)春菊、軽くフライパンで炒っておいた松の実、みじん切りにしたにんにく、
塩、オリーブオイルをすり鉢であたる。
またはフードプロセッサーやミキサーで攪拌して、ペーストにする。
3)アルデンテに茹でたパスタが熱いうちに和えて、頂く。
*春菊の香りを楽しみたい方は、葉っぱの部分を蒸さずに、
生のままでペーストにしてみてください。
*パスタの他、パンに合わせたり、温野菜と和えたりするのも美味しいです。
*保存する場合は、煮沸したビンにいれ、上部にオリーブオイルを
プラスして空気に触れないようにします。






















































アコーディオン・トイピアノ・鍵盤ハーモニカ・オルガンなど、ノスタルジックな味わいをもつ楽器を得意とする鍵盤奏者、音楽家。空気公団・ハンバートハンバート・Akeboshiなど、多くのアーティストのライブ・レコーディング・CM・TVの音楽などに、さまざまな楽器でかかわるほか、ソロプロジェクトであるtrico!やギタリスト・オオニシユウスケとのユニットsmall colorでもアルバムをリリースしている。最近は、スイス絵本の名作『こねこのぴっち』のDVD化にあたり、音楽を担当(2009年1月発売予定)。またインテリア誌「かわいい音楽すてきな暮らし」でレシピ・料理・スタイリングを担当。日々の暮らしを大切にしながら、さまざまな活動を楽しんでいる。

音楽家・良原リエさんによる、暮らしのエピソードとそれにまつわる日々のご飯のレシピ。本人撮影による四季折々の写真とともに、<ありふれた材料でできる簡単な料理をよりよくするためのコツ>を提案していきます。好きなモノ・コトに囲まれた、実のある暮らしを大切にしているリエさんならではの切り口が、「普段の生活」の大事さをあらためて教えてくれるはず。
