第11回 長葱のクリームチーズ和え
玄関先のボケが最初の花をつけました。
我が家では、このボケが咲いたら
冬はそろそろ終わりの合図です。
ここは横浜ですが
我が家は築40年ほどの古い一戸建てで
断熱材などとは無縁です。
そのせいか冬がとても長く感じます。
ああ、やっと長く厳しい冬から解放されます。
美味しいものも多い冬なので
決して嫌いではないのですが
寒いのはやっぱり辛いですね。
そんな長い冬の間で
一番お世話になる野菜は、長葱です。
ほぼ毎日、それもかなりの量を頂いています。
食卓に欠かすことはありません。
関東では白い部分が多く、太い
長葱(根深葱)が主流です。
風味が強くて、食べごたえがあります。
我が家の近所では
横浜産、平塚産などの新鮮なものが
とても安く手に入ります。
特に根付き、泥付き葱は
あまりに安価でびっくりするほどです。
(昨日は、5本で138円でした。)

泥付き葱の外皮をむく瞬間が好きです。
鼻をつくとんがった香りとともに
みずみずしく真っ白で
ひきしまった体があらわれるのは
とても気持ちが良いものです。
長葱の出番が多い我が家では
この外皮を日に何度もむくことになります。
毎日むいているとわかるのですが
冬の終わり、丁度ボケが咲く頃になると
真冬に出会えるきゅっと引き締まった感じとは違った
ゆるみが見えるときがあります。
それはほんの少し、なのですが
暖かさに葱が少しゆるみ出したのかなと
思える感覚です。
葱のそんな変化を感じると、ボケの花とともに
ああやっぱりもう冬は終わりだなと思います。
葱の薬味としての役割も素晴らしいですが
主役としてもとても美味しく頂けます。
たっぷりの葱を斜め切りにし、オリーブオイルで炒めて、葱パスタに。
たっぷりと細切りにして、小麦粉、卵とからめて焼き、葱チヂミに。
たっぷりと切ってスープのメインの具材に。特にクリームスープが美味しい。
ぶつ切りを油揚げやお肉と合わせて煮物に。
ぶつ切りを天ぷらに。
などなど、挙げればきりがありません。
どれも1人分に1本が目安です。
白い部分も青い部分もまるごと使います。
葱の魅力はなんといっても
火をじっくり通すことで
まろやかな甘みが出ること。
火を通すとしんなりして
すっかり小さくなってしまうのも
たくさん頂けるので好きなところです。
2、3本は簡単に食べてしまいます。
私も旦那さんもほとんど風邪をひきません。
風邪に効く葱を、風邪をひきやすい冬にたくさん頂いているので
何かしら効果があるのではないかなと思っています。
どう料理しても美味しい葱ですが
葱の甘みを堪能できるのと
とても手軽にできるので
クリームチーズ和えを良く作ります。
お酒のあてにもぴったりですし
お醤油を少し垂らして頂くと
ご飯との相性も良いです。
さて、葱と言えば
初めて一人暮らしをして
アパートに移り住んだ時のこと。
実家では、葱は泥付きを買い求め
庭先に埋めて保存するのが当たり前でした。
よく母に、(庭から)葱取って来て
と言われたものです。
冬のある日に、小さな庭のある1階に住んだ私は
早速、葱を買い求めた後、
迷いもなく土を掘り、埋めたのですが
そのときふと疑問がわきました。
2階に住んでいる人は
葱をどこに埋めるんだろう?
スーパーでは外皮をむいた長葱も売っていますし
冷蔵庫に保存すればいいわけですから
土に埋める必要はないといえばないのですよね。
でもやっぱり私は
葱は土に埋めたいなと思いました。
日持ちもしますし、いつまでも元気でいてくれます。
使いたいときにいつも新鮮な味を楽しむことができます。
葱を埋める為にも、そして緑を楽しむ為にも
土のない生活は考えられないなということを
葱に気づかせてもらったのかもしれません。(2009年3月10日更新)
長葱のクリームチーズ和え
材料:長葱 2本、クリームチーズ 50g、白味噌 大さじ1、塩 少々
1)長葱は外皮を向いて、5センチ程度にぶつ切りにする。
2)フライパンに長葱を並べ、塩と大さじ2程度の水(分量外)を振り、
蓋をして中火で蒸し焼きにする。
3)途中、長葱をひっくり返し、全体に焼き色がついてしんなりしたら取り出す。
4)同じフライパンでクリームチーズを弱火にかけ、木べらでつぶしながら溶かしてゆく。
5)ペースト状になったら、白味噌を加えて混ぜ、最後に長葱を戻して、さっと絡ませる。
*クリームチーズは焦げやすいので、手早く調理してください。
*白味噌がなくても、チーズの風味だけで美味しく頂けます。
*醤油を少し垂らして頂いても美味しいです。






















































アコーディオン・トイピアノ・鍵盤ハーモニカ・オルガンなど、ノスタルジックな味わいをもつ楽器を得意とする鍵盤奏者、音楽家。空気公団・ハンバートハンバート・Akeboshiなど、多くのアーティストのライブ・レコーディング・CM・TVの音楽などに、さまざまな楽器でかかわるほか、ソロプロジェクトであるtrico!やギタリスト・オオニシユウスケとのユニットsmall colorでもアルバムをリリースしている。最近は、スイス絵本の名作『こねこのぴっち』のDVD化にあたり、音楽を担当(2009年1月発売予定)。またインテリア誌「かわいい音楽すてきな暮らし」でレシピ・料理・スタイリングを担当。日々の暮らしを大切にしながら、さまざまな活動を楽しんでいる。

音楽家・良原リエさんによる、暮らしのエピソードとそれにまつわる日々のご飯のレシピ。本人撮影による四季折々の写真とともに、<ありふれた材料でできる簡単な料理をよりよくするためのコツ>を提案していきます。好きなモノ・コトに囲まれた、実のある暮らしを大切にしているリエさんならではの切り口が、「普段の生活」の大事さをあらためて教えてくれるはず。
