第17回 うちのトマトパスタとルッコラのサラダ

この白い花は何だと思いますか?

サラダなどでよく頂く、ルッコラです。
若い葉を楽しませてもらったあと
随分と背が伸びて、花をつけたところです。

小さいころに比べると
年間通して暖かくなったせいか
ルッコラは冬も含め、季節を問わず元気に育ってくれるので
我が家の食卓に彩りを添えてくれる
大事な緑です。

白い花が終わったら、たっぷりと種をつけ
いつのまにかさやが割れ、こぼれ落ち
自然に土へと戻ります。

そして忘れたころにまた、同じ場所から、
思ってもみない場所からも芽を出します。
気付けば、もう食べごろの葉を広げてくれています。

何も手をかけていないのに、新芽をかじってみれば
ちゃんと、あの胡麻風味のルッコラになっているのですから
なんて出来た子なのだろう!といつも感激してしまいます。
 

今、一番元気に育っているのは絹さやです。
豆類は、うっとりするほど美しい花をつけます。

秋に植えれば冬の終わり、まだ彩りの少ない庭で
一人ぐんぐんと背を伸ばし、鮮やかな色の花をつけてくれるのも
楽しみのひとつです。

上質の絹のようにしなやかな花びらは
咲き終わると、青色に変わります。
その青い花がしぼんで落ちると
かわいい絹さやの子供が顔を出します。

生まれたてです!可愛いでしょう!
 
 
さて、その絹さやの鉢の片隅に
去年のこぼれ種から芽を出したものがいます。

青紫蘇です。
青紫蘇の種は、風に運ばれて飛ぶようで
いつも思ってもみないところから顔を出します。
春に注意して見ていないと、見落としてしまうような場所ばかりです。
今年は絹さやの鉢に着地していたようです。
 

思ってもみないところと言えば
こんなところに向日葵の芽が出ていました。
双葉のふちがほんのりと紫をしている
去年植えたオータムビューティーです。

ちょうど香菜のネームプレートの隣。
これは植え替えてあげなきゃいけませんね。
 

そうそう、第5回で果物のジャムを作ったときに
種をとっておいて、ぜひ春先に植えてくださいねと書いたのですが
私の食べたりんごが、ようやく芽を出しました。

光を、上を目指している姿が
なんとも愛らしいです。

でも、よく見ると
きれいに並んだりんごの芽の一番左、
一人だけ、向日葵が混ざっています。
示し合わせたようにりんごと同じタイミングで出て来ました。
本人はりんごのつもりなのかもしれません。

去年、たくさんの緑を育ててくれた土は
リサイクルして冬の間に寝かせておきました。

土のリサイクルは、広げて乾かした後
全体の1/10ほど油かすを混ぜ
握ると固まる程度に水を加えます。
それをビニール袋につめ
日向に2ヶ月ほど置いて殺菌したものと
新しい土を半々に混ぜて使います。

そうやってリサイクルしている土なので
この小さなりんごのポットにも
向日葵が混ざって出て来たのですね。
見落とさなくて良かったです。
 
 
さて、さきほどの収穫したルッコラを
簡単なサラダにして、付け合わせに
うちの定番のトマトパスタを作ります。

穫れたての緑のサラダがある時もそうですが
とても疲れてしまって元気を出したいなという時に
トマトパスタはよくテーブルに登ります。

まっすぐな赤い色が元気をくれるのだと思います。
そしていつも同じ我が家の味を頂いて
少しほっとするのかもしれません。

具を何もいれないシンプルなソースが定番ですが
最近はセロリの風味を加えるのが好きです。

そのときの気分で具を変えながら
そしてまたシンプルなソースに戻る、の繰り返しです。

余ったら次の日に
パンにのせ、チーズをかぶせてトーストに。
これも美味しさが詰まっていて好きなので
ときどきわざと残します。
 

トマトパスタは何度も何年も繰り返して
ようやく我が家の味になってきました。

この家に越してきて4回目の春
庭も、季節を繰り返して
ようやく我が家らしい庭になってきました。

普通のなんてことない繰り返しが、だんだんと実になり
我が家の色になっていくのを体感するとき
日々の暮らしは本当に楽しいものだなと思います。(2009年4月21日更新)

参考文献:藤田智著『ベランダ畑』家の光協会、2005年

コラム

うちのトマトパスタとルッコラのサラダ


【うちのトマトパスタ】

材料:トマト缶(ホール) 1缶、薄切りベーコン 5枚、セロリ 1本、
オリーブオイル 大さじ1、にんにく 1かけ、塩 小さじ1/2、黒こしょう 適宜、
パスタ 250g

1)フライパンにオリーブオイルをひき、つぶしたにんにくを入れ、ごく弱火で香りを出す。
2)にんにくに色がついたら取り出し、さいの目に切ったベーコンとセロリを加えて炒める。
3)軽く油がまわったら、トマト缶を入れて、実を木べらでつぶしながら混ぜ合わせてゆく。
4)強火で水分を飛ばし、もったりとしてきたら、中火で煮詰めてゆく。
5)アルデンテに茹でたパスタを合わせて、塩、黒こしょうで味をととのえ、
  最後にオリーブオイル(分量外)をひとまわしかけて強火にし、
  ソースが乳化する(さらにもったりとする)のを確認して、火からおろし、盛りつけて頂く。

【ルッコラのサラダ】

材料:ルッコラ 適量
作りやすい分量のドレッシング:醤油 大さじ1、オリーブオイル 大さじ1、
レモン汁 小さじ1、はちみつ 小さじ1

1)よく洗って水気を切ったルッコラを、先に混ぜ合わせておいたドレッシングで
  食べる直前にさっと和えて頂く。

*トマトソースは、セロリ、ベーコンの代わりに、いろんな具で試してみてください。
*セロリ、ベーコンの具を抜いて、ブイヨンやコンソメキューブなどを足して風味を入れれば
 シンプルなソースになります。

バックナンバー

ごあいさつ

第1回 蕪、酒粕、豆乳のスープ

第2回 黒豆、シナモン風味

第3回 鶏だしスープのトック(韓国雑煮)

第4回 干し大根のソテー、ケッパーソース

第5回 冬のジャム、生姜とはちみつ風味

第6回 おかき、三種

第7回 スパイシーチョコレートケーキ

第8回 カリフラワーのサブジ

第9回 春菊ペーストのパスタ

第10回 雪ノ下の天ぷら

第11回 長葱のクリームチーズ和え

第12回 春キャベツとささみの蒸し煮

第13回 新玉葱、ドライトマトのマリネ

第14回 サンドイッチフィリング、三種

第15回 クレソン、生姜のお稲荷さん

第16回 新じゃが、プルーンの煮込み

第17回 うちのトマトパスタとルッコラのサラダ

第18回 筍のピクルス

第19回 牛蒡(ごぼう)と胡桃のキャラメリゼ

第20回 おからたっぷりのスコーン

第21回 人参のサラダ、人参のポタージュ

第22回 生らっきょうのフリット、ローズマリー風...

第23回 味付け卵、八角風味

第24回 アイリッシュソーダブレッド

第25回 イカ、トマト、ミントの炒め

第26回 梅味噌、梅味噌豆

第27回 塩豚、茹で豚

第28回 ガーリックトースト

第29回 ローズマリーポテト

第30回 葉唐辛子、鶏肉のカレー

第31回 夏のキムチ三種

第32回 ラタトゥユ、ガスパチョ

第33回 生姜ジュース

第34回 セミドライトマト

無花果(いちじく)のソテー、サラダ、白味噌和え

第36回 南瓜(かぼちゃ)のグリル、玉葱のソース

第37回 緑のサラダ、赤のサラダ、黒のサラダ

第38回 蕎麦粉のガレット

第39回 柿、ディルのクリームチーズ和え

第40回 蛸(たこ)、青海苔のクリームソースパス...

第41回 ドライフルーツ、ナッツのケーキ

第42回 豚のスペアリブ、棗(なつめ)の煮込み

第43回 焼き芋、レモンバターソース添え

第44回 野菜ルーのカレー

第45回 コジード・ア・ポルトゲーザ(ポルトガル...

第46回 鰯の塩焼きとカルド・ヴェルデ

第47回 ヨーグルトパンケーキ

最終回 牛すじの煮込み


アコーディオン・トイピアノ・鍵盤ハーモニカ・オルガンなど、ノスタルジックな味わいをもつ楽器を得意とする鍵盤奏者、音楽家。空気公団・ハンバートハンバート・Akeboshiなど、多くのアーティストのライブ・レコーディング・CM・TVの音楽などに、さまざまな楽器でかかわるほか、ソロプロジェクトであるtrico!やギタリスト・オオニシユウスケとのユニットsmall colorでもアルバムをリリースしている。最近は、スイス絵本の名作『こねこのぴっち』のDVD化にあたり、音楽を担当(2009年1月発売予定)。またインテリア誌「かわいい音楽すてきな暮らし」でレシピ・料理・スタイリングを担当。日々の暮らしを大切にしながら、さまざまな活動を楽しんでいる。

音楽家・良原リエさんによる、暮らしのエピソードとそれにまつわる日々のご飯のレシピ。本人撮影による四季折々の写真とともに、<ありふれた材料でできる簡単な料理をよりよくするためのコツ>を提案していきます。好きなモノ・コトに囲まれた、実のある暮らしを大切にしているリエさんならではの切り口が、「普段の生活」の大事さをあらためて教えてくれるはず。


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