第18回 筍のピクルス

旅に出ています。演奏旅行です。

アメリカ人のシンガーソングライター、Neal Casalのツアーで、
Nealに、サニーデイサービスの田中貴くんと私のトリオで演奏しています。

演奏で旅に出ることは、年に何度もあるので
あまり特別なことではなく、日常の続きです。
少し遠出の散歩のようなものです。

なので旅の荷造りは、とても簡単にできるようにしています。
泊まる為の必需品は、小さなカバンにいつもスタンバイしてあって
加えて、宿泊分の着替え、衣装と楽器を用意すれば良いので
あっと言う間に準備完了です。

ただ、家を空ける間のことを考えると
あれこれ準備がたくさん増えます。
自分がいない間の旦那さんのご飯のこと
ゴミを早めにまとめたりなどの細々としたこと
そして、この時期にはやっぱり庭のことが気になります。

しっかりと根を伸ばしたものは大丈夫なのですが
出たばかりの小さな芽には毎日水をあげなければ
すぐにしおれてしまいます。

1週間以上、家を空ける上
今回は旦那さんも時間差で旅に出てしまうので
水やりのことをどうしようかと考え
まだ苗とは呼べない状態のものも
早めに友達に分けることにしました。

蒔いた種から出た芽、
こぼれ種によって庭のあちこちから出た芽。
元気なものをピックアップしてポットに植え替え
我が家を訪れたお友達にあげたりした後
ご近所のパン屋カフェ、山角(さんかく)にも持って行きました。

山角はなかなか見つけづらいところにありますが
緑がいっぱいに溢れて、たどり着くと
とても嬉しい気分になるとろです。

この日お店はお休みだったので
庭先に置いて帰ることにしました。
ご近所のお友達にも、
山角に苗を取りに行くようにメールをして
これでやっと一安心です。

いろいろお裾分けしたり
何かの時にちょっとしたお願いをしたり
近所にふと立ち寄れる場所があるというのは
心強いなあと思います。

近所付き合いは面倒なようですが
良い面のほうがずっとずっと多いように思います。

さて、旅に出る前日に立派な筍が届きました。
ミュージシャンの友達、NUUさんからのプレゼントです。

季節を感じる食材が届くって素敵ですね。
贈る側も、頂く側も気候と一緒に心に残ります。

ほおっておいては旬の美味しさが
日に日に逃げてしまうので
明日の演奏の予習をしながら
ひとまず鍋を火にかけました。

このまま家に居るのなら
ゆっくりと筍ご飯や木の芽和え
大好きな若竹煮にしたいところですが
頂くタイミングがありません。

そこで今回はピクルスにしました。

何かを漬けるとき
暗いところに置く前に
光のある窓辺において
しばらく眺めるのが好きです。

ピクルス液に差し込む光の加減で
独特の色を楽しむことができます。
茶色ばかりの食べ物が並ぶテーブルには
つまらない印象を持つことが多いのに
光を通した茶色はいきいきと輝いて
美しい琥珀色にも見えます。

旅から帰ってくるころには
丁度良い漬け具合になって
ご飯のお供になってくれそうです。(2009年4月28日更新)

コラム

筍のピクルス

材料:筍 適量、唐辛子 2~3本、米糠または米のとぎ汁 適量
作りやすい分量のピクルス液:酢 1カップ、水 1カップ、甜菜糖(または砂糖) 大さじ3、
塩 小さじ2、ブラックペッパー・ホワイトペッパー(ホール) 各適量、唐辛子 4~5本

1)筍は外の皮を数枚はいで、穂先を斜めに切り落とし、縦に切り目を入れる。
  米糠、唐辛子とたっぷりの水を入れた大きな鍋で40分程茹で、火を止めた後、
  自然に温度が下がるまで放っておく。
2)ピクルス液の材料をほうろう等の鍋に入れ、一度沸騰させる。
3)外皮を剥き、食べやすい大きさに切った筍を、煮沸消毒しておいた瓶に詰め、
  ピクルス液を流し込む。冷暗所、または冷蔵庫で保存し、翌日から頂く。

*保存状況にもよりますが、数ヶ月保存可能です。
*ピクルス液に昆布を足して漬け込むのも美味しいです。

<お知らせ>
5/5(火)はG・Wのため、お休みいたします。
次回の更新は5/12(火)となります、お楽しみに!(まゆたんち編集部)

バックナンバー

ごあいさつ

第1回 蕪、酒粕、豆乳のスープ

第2回 黒豆、シナモン風味

第3回 鶏だしスープのトック(韓国雑煮)

第4回 干し大根のソテー、ケッパーソース

第5回 冬のジャム、生姜とはちみつ風味

第6回 おかき、三種

第7回 スパイシーチョコレートケーキ

第8回 カリフラワーのサブジ

第9回 春菊ペーストのパスタ

第10回 雪ノ下の天ぷら

第11回 長葱のクリームチーズ和え

第12回 春キャベツとささみの蒸し煮

第13回 新玉葱、ドライトマトのマリネ

第14回 サンドイッチフィリング、三種

第15回 クレソン、生姜のお稲荷さん

第16回 新じゃが、プルーンの煮込み

第17回 うちのトマトパスタとルッコラのサラダ

第18回 筍のピクルス

第19回 牛蒡(ごぼう)と胡桃のキャラメリゼ

第20回 おからたっぷりのスコーン

第21回 人参のサラダ、人参のポタージュ

第22回 生らっきょうのフリット、ローズマリー風...

第23回 味付け卵、八角風味

第24回 アイリッシュソーダブレッド

第25回 イカ、トマト、ミントの炒め

第26回 梅味噌、梅味噌豆

第27回 塩豚、茹で豚

第28回 ガーリックトースト

第29回 ローズマリーポテト

第30回 葉唐辛子、鶏肉のカレー

第31回 夏のキムチ三種

第32回 ラタトゥユ、ガスパチョ

第33回 生姜ジュース

第34回 セミドライトマト

無花果(いちじく)のソテー、サラダ、白味噌和え

第36回 南瓜(かぼちゃ)のグリル、玉葱のソース

第37回 緑のサラダ、赤のサラダ、黒のサラダ

第38回 蕎麦粉のガレット

第39回 柿、ディルのクリームチーズ和え

第40回 蛸(たこ)、青海苔のクリームソースパス...

第41回 ドライフルーツ、ナッツのケーキ

第42回 豚のスペアリブ、棗(なつめ)の煮込み

第43回 焼き芋、レモンバターソース添え

第44回 野菜ルーのカレー

第45回 コジード・ア・ポルトゲーザ(ポルトガル...

第46回 鰯の塩焼きとカルド・ヴェルデ

第47回 ヨーグルトパンケーキ

最終回 牛すじの煮込み


アコーディオン・トイピアノ・鍵盤ハーモニカ・オルガンなど、ノスタルジックな味わいをもつ楽器を得意とする鍵盤奏者、音楽家。空気公団・ハンバートハンバート・Akeboshiなど、多くのアーティストのライブ・レコーディング・CM・TVの音楽などに、さまざまな楽器でかかわるほか、ソロプロジェクトであるtrico!やギタリスト・オオニシユウスケとのユニットsmall colorでもアルバムをリリースしている。最近は、スイス絵本の名作『こねこのぴっち』のDVD化にあたり、音楽を担当(2009年1月発売予定)。またインテリア誌「かわいい音楽すてきな暮らし」でレシピ・料理・スタイリングを担当。日々の暮らしを大切にしながら、さまざまな活動を楽しんでいる。

音楽家・良原リエさんによる、暮らしのエピソードとそれにまつわる日々のご飯のレシピ。本人撮影による四季折々の写真とともに、<ありふれた材料でできる簡単な料理をよりよくするためのコツ>を提案していきます。好きなモノ・コトに囲まれた、実のある暮らしを大切にしているリエさんならではの切り口が、「普段の生活」の大事さをあらためて教えてくれるはず。


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